秋田県北部に八九郎集落があります。八九郎集落をさらに森の奥まで行くと、人知れず天然のジャグジーがあるといいます。
…なんて魅力的な話だ。
国土地理院2万5千分の1地図を買って、ネットで調べまくった情報を元におおよその場所を特定、さあ出発です。
東京から秋田まで長旅でしたが、事前調査の甲斐あって八九郎集落にはなんなく辿り着きました。道中には奥八九郎温泉への案内板が所々設置してあるので、迷うことなく進めます。
集落を過ぎ森の奥に向かって進むと、道は舗装されていない林道に変わります。林道手前には、監視員用のボックスが置いてあり、監視員が常駐。ボックスには、なにやら値段が書いてあるではないですか。もしかして、有料林道？
「あの、お、温泉へ…」
監視員に言うと、笑われる。話を聞くと、料金が必要なのは山菜採りの場合だそうです。
昼間でもなお暗い林道を森の奥へ奥へと進むと、やがて左手がぱっと開けます。そこが、奥八九郎温泉。ネット上では、奥奥八九郎温泉と呼ばれているようです。天然の湯舟からは、あわあわと激しく気泡が湧き上がり、まさに天然のジャグジー。おお！感動の景色。*写真(1)
林道の脇に車を停め、もどかしく車の中で服を脱ぎ捨てます。うほっほい！車を飛び出して、湯舟へ。*写真(2)
あっちいよっ！
まあ、その湯の熱いこと熱いこと。ケツを浸けることはおろか、足を入れているだけでもじんじん痺れて我慢できません。こんなにいいロケーションなのに…。
しかも、あっという間にぶよの大群に囲まれます。体のあちこちに喰らいついてくる、ちっこいくせに皮膚を喰い破り血を啜る凶悪な奴等です。脚にちくりと痛みを感じ、見てみると血がたらぁっと垂れていました。
ええ、ほうほうの体で逃げ出しましたさ。甘くない。やっぱ、野湯って奴は、一筋縄じゃいかないもんだ。
ちなみに、林道から少し外れた所ですが、奥奥八九郎温泉の手前に、もうひとつ自然湧出のジャグジーがあります。こちらがネット上で奥八九郎温泉と呼ばれている所。行ってみましたが、ちょっと汚くてさすがに入る気にはなれませんでした。*写真(3) *写真(4)