登山&のら湯-山道のあっち側

焼岳(安房峠〜焼岳)|中部山岳国立公園

登山データ

【登山行程】

安房峠〜新中の湯ルート〜焼岳

【訪問日・天候】

2011年11月上旬 平日 晴れ

【GPSトラックログ】

往路復路

【登山口駐車場】

新中の湯ルート登山口 [8台 トイレ無] 地図

WGS84 N36'12'14.187 E137'35'56.932 A1643m
620 747 096*77
【仮眠・車中泊】

道の駅「奥飛騨温泉郷上宝」、乗鞍高原自然保護センター駐車場(キャンピングカー禁止)

【参考サイト】

上高地公式Website

【計画】

安房トンネルが開通する以前は、松本側から奥飛騨へのアプローチは安房峠を越える狭く曲がりくねった道一本だった。冬期は閉鎖されることもあって、奥飛騨を陸の孤島たらしめていたただ一本のこの道が、なぜか結構好きだった。何度もここを通過しながら工事中の安房トンネルの坑口を見て、トンネルができたら便利になるなあと思いながらも同時に寂しさも感じていたものである。

安房峠越えのこの道から始まる登山道が焼岳の登山道。行くのは来年か再来年かと考えていたが、11月上旬ならそろそろ積雪があってもおかしくない時季にもかかわらず全く雪の気配が訪れない状況を見て、それならばと思い立って腰を上げた。

写真(1):新中の湯ルート登山口】

北アルプス最南端の乗鞍とはちょうど安房峠で分断されるため、北アルプス縦走路の最南端が焼岳となる。その安房峠越えの国道158号、安房トンネル工事中の水蒸気爆発事故により現在の場所に移設を余儀なくされた中の湯温泉旅館の少し先に、新中の湯ルートの登山口がある。道路脇に8台前後程度の駐車スペース。

写真(2):登り始めてすぐは若干ぬかるみ】

登り始めは樹林の中で陽が届かないためか湿って滑りやすい道が続く。所々湿った木の根と岩の急登も出てくるがスパンは短く、全体的にはさほどきつくない。

写真(3):下掘出合の手前辺りから笹原になる】

樹林を抜けて空が開けると、傾斜は穏やかになる。笹原が広がる行く手には双耳の峰が天に突き上げる。

写真(4):抉れた涸れ沢横に付く登山道】

下掘出合を過ぎると傾斜が増して行き、進むほどにきつくなる。頂上まで急登は続き、ルートの中ではこの最後の登りが最も辛い箇所となる。

写真(5):北峰直下から噴気が上がる】

頂上稜線の一角から噴気が上がっている。これが奥飛騨の道の駅からも良く見えていた蒸気だ。

写真(6):立ち入り禁止の南峰と火口湖】

北峰と南峰を隔てる鞍部に上がると、右が噴気の上がる北峰、左が立ち入り禁止とされている南峰。写真は噴気の上がる下あたりから南峰を振り返った角度。

鞍部を乗越して下れば火口湖があるが、そちらも立ち入り禁止。

写真(7):北峰山頂】

北峰をぐるっと上高地側まで巻いてから、ひと登りすると北峰山頂に至る。上高地は赤い屋根の上高地温泉ホテルと帝国ホテルが目立って判別でき、梓川に沿って小梨平を足下にそそり立つ穂高の大岩壁を山頂から堪能することができる。

写真(8):中尾温泉街がよく見える】

視線を左に移すと新穂高温泉。蒲田川から山あいに入った中尾温泉街が焼岳の足下に拓かれている。

焼岳と言えば、中里介山の大菩薩峠の中で、主人公達が平湯温泉に滞在した時に描かれた焼ヶ岳の噴火のエピソードが思い出される。だけども平湯温泉から焼岳は直接見えない通り、焼岳山頂からももちろん平湯温泉は見えない。それでもこの頂の足下で主人公達が右往左往している姿を想像するのもまた楽しい。

写真(9):道路沿いの駐車スペース】

行きには撮れなかったので、帰ってきてから登山口の駐車スペースを撮ってみた。きっちり並べれば10台以上停められるかな。道路のカーブの最奥部分に登山口。