登山&のら湯-山道のあっち側

本沢温泉(みどり池入口〜しらびそ小屋〜本沢温泉)|八ヶ岳中信高原国定公園

登山データ

【登山行程】

みどり池入口〜しらびそ小屋〜本沢温泉

【訪問日・天候】

2013年2月下旬 平日 晴

【GPSトラックログ】

往路

【登山口駐車場】

みどり池入口 [2〜3台(冬期) トイレ無] 地図

WGS84 N36'2'29.435 E138'23'44.236 A1576m
359 422 565*61
【仮眠・車中泊】

道の駅「ほっとぱ~く・浅科

【参考サイト】

八ヶ岳観光協会 本沢温泉 しらびそ小屋

【関連レポート】

本沢温泉|快楽秘湯表編

【計画】

本沢温泉には冬期のみ開設される石楠花風呂がある。まず第一の目的はそれ。さらに本沢側をアプローチとして硫黄岳に登りたいと前々から考えていたので、第二の目的としてそれも実行することに。ということで今回は本沢温泉に一泊。

ツレと本沢へ行くのは二度目だが、数年前の初冬のことなので、冬まっただ中の登山というのはツレはこれが初体験となる。

写真(1):みどり池入口の駐車スペース】

今年は雪が多くて本沢林道からアプローチすることは無理、ということだったので、本沢への冬のルートとして最も一般的であろう「しらびそ小屋」経由のルートを選択。

みどり池入口の駐車スペースは積雪のため車を停められる面積がかなり狭くなっており、頑張って3〜4台が限度といった感じ。圧雪されてないので4WDじゃないと脱出できなくなる可能性が大きい。

写真(2):屏風橋は通行止め】

みどり池入口のゲートを越えて平坦な道を歩き始め、林道をショートカットしつつ20分程でルートは左へ折れる。初めて通るルートなので確信はないが、前年9月の台風で屏風橋付近の沢の流れが変わってしまい迂回路が設けられているということで、おそらくここが迂回路の始まり?

写真(3):コマドリ沢】

GPSログから判断すると、この辺りがコマドリ沢。出発してからここまで1時間ほど。迂回路が終わって以前の登山道と合流し、しらびそ小屋へ向かう。ここから登山道の傾斜はきつさを増す。

写真(4):しらびそ小屋】

いつの頃からか冬場の登山では脚が攣るのが恒例となってしまったが、今回もまた傾斜のキツイ場所で脚が攣り始めてしまった。大腿四頭筋とふくらはぎ、それも両足ともなのでタチが悪い。高天原から半年近くのブランクも影響したか?

一歩踏み出すごとにぴきぴきと攣る足の痛みに耐えながら登ること40分、しらびそ小屋が見えてきた。

しらびそ小屋の外で少し休憩。持ってきたおにぎりで簡単な食事をとる。ちなみに、しらびそ小屋の厚切りトーストのファンという人が多いようなので食べてみようかと思ったが、今は宿泊者にしか出していないそうだ。小屋の外の雪溜まりにはリスが巣を作ってちょろちょろと出入りしていた。

写真(5):中山峠分岐】

しらびそ小屋を出発してすぐ、中山峠方面と本沢方面の分岐が現れる。

写真(6):起伏の少ないルートが続く】

しらびそ小屋を過ぎてからはもう急な登りは現れない。踏み跡は薄いものの、雪も締まって歩きやすい道が続く。

写真(7):松原湖方面は雪に埋まって踏み跡もない】

本沢温泉に近付く頃、松原湖方面との分岐看板が現れるが、踏み跡が全くなかった。ここ暫く本沢林道コースを歩いた人はいないと思われる。

写真(8):本沢温泉到着】

本沢温泉に到着。休憩を入れておよそ四時間の行程。標高差も500〜600mくらいなので、全体的に楽なコースだった。脚が攣らなきゃもっと楽だっただろうけど。

凍った箇所はなく、アイゼンを取り出すことはなかった。

写真(9):4畳ほどの部屋】

本沢温泉で割り当てられた部屋は、こたつのある部屋の隣、四畳ほどの広さの部屋。部屋に暖房はないが、夕方以降に廊下のストーブに火が入れられ、布団の中にカイロも用意されているので、予想よりは寒い思いはしなくて済んだ。

水が凍っているため洗面所は使えず、代わりにアルコール消毒のボトルが置いてあった。トイレの小便器は全て使用不可で、個室一箇所以外閉鎖。洋式の水洗ぼっとん便所であるが、もちろん水は流れない。下痢の奴がひとりでもいたなら、それ以降のトイレ使用はかなりの忍耐が必要となる。寒さよりも、このトイレ環境が最もきつかった。女性トイレも状況は同じく一箇所の個室だけが使用可能となっていたそうだが、その日の女はツレひとりだけだったので、数人の汚れが積み重なる男便所よりよっぽどマシだっただろう。

今年は雪が多いため、露天風呂の入浴はできなかった。

【翌日】

膝痛が出た。歩きながらもなんか歩き方が変というかしっくり来ないと感じていたが、やはり半年近い登山のブランクで、てきめんに体力が落ちてしまったか。トレーニングもサボってたし。雪道の、しかも登りで膝痛が出るなんて、なんかものすごくショック。硫黄岳は諦めてそのまま帰ることにした。

水は有料で、500mlあたり100円。冬装備にはストーブも入れてるから雪を溶かせばいいのだけど、もう帰るだけとなったら面倒くさくなったので500mlだけ購入。

天気は良好。雲もなく、硫黄岳がくっきり見えている。このまま帰るのはもったいないとは思ったが、膝が痛いと下りのペースが極端に落ちるから、陽のあるうちに車まで帰ることが難しくなりそう。いつものように、いつでも来れるという気分で未練が残らないのが八ヶ岳の良いところ、と負け惜しみを言いながら帰路につく。

しらびそ小屋を過ぎた急坂での尻セードをツレは気に入ったみたいで、喜んで滑っていた。グリセードは上手くできなかったみたいだけど。