登山&のら湯-山道のあっち側

湯の泉

訪問データ

【訪問日・天候】

2000年秋 平日 晴れ

【注意】

現在入浴不可

四万ダム建設の予備調査の時に泉源を発見されたのが「湯の泉」の最初です。その後、工事が始まる前かまたは始まってまもなく、タレントの見栄晴さんが入りに行ったのがテレビで放送され、野湯ファンに広く知られるようになりました。

その頃はまだ工事現場の下から1時間以上歩かねばならず、湯船も岩を配置しただけの手作り感溢れるもので野湯らしい野湯でした。

四万ダム完成後、工事関係者以外でもダム湖最奥まで車で進入できるようになってからアクセスが格段に容易になり、野湯フリークだけでなく普通の温泉ファンにも大変な人気だったようです。

湯船も野湯とは言えない立派なものに生まれ変わっていました。共同湯として料金を取ってもいいくらいの完成度。公的には管理されていないとは思えないほど、掃除も行き届いていました。

入浴の順番待ちが出来るほどの人気だったと聞きます。下流にある四万温泉の組合としては、一般進入禁止の場所ということもあって公には存在を認めていませんでしたが、人気も出て観光客呼び込みにもプラスの面があったから目を瞑っていたような状態だったのでしょう。しかし、ゴミを放置する者、果ては新しく湯船を造ってしまう者まで出てきては、さすがに看過できなくなったと思われます。

岩手県などは、野湯までも観光資源と捉えて振興に利用しようという動きがあるといいます。湯の泉もできれば観光資源として活用する方向で、問題解決に向けて前向きに検討して欲しかった。管理者を置いて有料になってでもいいから、存続を期待していました。

湯の泉の源泉はダム横にできた日帰り入浴施設に利用されています。それでもまだ湯量は充分にありました。ところが白骨温泉に端を発するあの問題で、湯を確保するために湯の泉の源泉も配湯に回すことになったようです。もともと四万温泉の湯量は充分な量があると思うのでこの辺の事情はちょっと謎ですが、人が集まりすぎて問題が出てきたことから、これ幸いだったのかもしれません。

2004年の12月、湯の泉は湯を止められ閉鎖されました。

その後、配管を壊してまで入浴しようとする者まで現れたため、正式に解体が決まったそうです。今後復活の可能性は完全になくなりました。

ああ、ホント、残念だ。