噴泉塔ってのはいいです。
大地の力強い活動が捌け口を求めて表面に吹き出し、エロい形に堆積隆起して先っちょから激しくエネルギーを放出し続けているのです。
山奥深くにこういったものを見つけて、そこに地獄を見たり天国を見たり、人間がその神秘性を信仰の対象としたくなるのも頷けます。
北陸は石川県と岐阜県の境にある信仰の山、白山。白山釈迦岳、御前峰、弥陀ケ原などその一帯に付けられている名前を見ても、立山に並ぶ信仰の山ということがわかります。
白山の主峰、御前峰を囲む山塊の中腹から始まる地獄谷と仙人谷から流れる霊水が集まり山肌を削る中ノ川の川原に、岩間噴泉塔群があります。
出発は新岩間温泉の車止めゲートから。
遙か奥まで続く両白山地の峰々を望みながら歩く道は、林道にしては比較的景色も楽しめるアプローチ道です。*写真(1)
林道の突き当たりまで来ると、休憩所らしきものが工事中でした。これ以後に行ってないので完成後がどんなか見ていませんが、岩間ヒュッテという休憩所兼避難小屋みたいなものになったようです。*写真(2)
岩間ヒュッテの少し先に行くと露天風呂なんかがあったりして、温泉好きにはたまらない。*写真(3)
林道のどん詰まり、車の轍が途切れる辺りまで行って左に折れると、噴泉塔群への登山道入口があります。*写真(4)
山道を登って下りて、どのくらいかかったか記憶が薄いのですが、確か一時間前後程度だった気がします。谷が見え始めてから高度を下げて行くと、「成長する噴泉塔」の看板。*写真(5)
これより下は、明確なルートはありません。降りれそうな崖を探して川原まで這いずり降りて下さい。
川原の至る所から蒸気が上がり、シュゴー!シュー!と激しい音。*写真(6)、写真(7)
噴泉塔から落ち出た湯が川まで流れを作っています。温度は90度以上あるのですから、噴泉塔付近を手で触れたら火傷は間違いなし。
湯の流れを辿って適温になる場所を探します。
石で囲って誰かが作ったと思われる、とりあえず湯船っぽい湯溜まりがありました。見た目はどう見ても水溜まり。*写真(8)
うろうろ探してみましたが、他には良い場所が見つかりませんでした。しかしスコップも持ってきていないのでここで我慢するしか…。
しゃがんで尻の先っちょしか浸かりません。川の水は冷たいし、湯が流れ込んでいる方は熱い。あっちっちの冷てーの、とても入浴という雰囲気ではありませんでした。
スコップを持って行くべきです。但し、国立公園内なので許可なく工作物を残すのは犯罪。元通りに現状復帰してから帰ることを忘れずに。