登山&のら湯-山道のあっち側

荒湯地獄

訪問データ

【訪問日・天候】

2002年秋 平日 晴れ

国内には11種の泉質が存在するのですが、そのうち9種類を堪能できるのが宮城県の鳴子温泉郷なわけで、温泉が好きになり始めた頃から今までに何度通ったかしれません。

湯量は極めて豊富、源泉数は370本以上を数えるといいます。また、紅葉が圧巻の大峡谷鳴子峡を始め、国内初のアーチ式ダム、白糸の滝やいくつもの間欠泉など、観光名所も数多く存在するんで飽きません。

鳴子温泉郷の北の端にあるのが鬼首温泉郷。有名な吹上間欠泉だけをとっても脈動する大地を実感できる地域ですが、奥に行けば地熱発電所のある片山地獄、そして荒湯地獄と近接したふたつの地獄を擁するという、周囲一帯が荒々しさに包まれ温泉好きにはまた堪らない土地柄です。

吹上温泉から荒尾岳に向かって車を走らせ水神峠を過ぎた辺りで、緑にぽっかりと穴を開けこんもりと盛り上がった白い大地がいきなり現れます。まるで大規模な何かの採掘場。*写真(1)

これが、荒湯地獄。

過去には硫黄の採掘が行われ湯治施設まであったそうです。荒湯地獄には、好き者の作った湯舟がいくつかあり、アプローチも簡単なお手軽野湯スポットとなっています。

手前の広場に車を停め白い小山を駆け上がると、草木の無い荒涼とした景色が目の前に広がります。*写真(2)

白い地面を突っ切って細い湯の川が筋になって流れています。*写真(3)

湯気の上がる流れを追って歩を進めると、流れの先に切れ切れに青い物体が見えてきます。*写真(4)

近づいてみると、造られた湯溜まりでした。*写真(5)

流れを堰き止めて造ってあるだけなので、人が来ればかなり遠目からでも丸見えになってしまいます。

少し横にそれた場所にも湯舟がありましたが、そちらは堆積物が多くとても入る気になれません。*写真(6)

なので人が来る前にと急いで丸見えの方に入浴。

座っても腰までも浸からないほど浅く、入浴という感じではありませんが、ロケーションは最高。時間をかけて湯舟を整備すれば至福の露天風呂となることは間違いないですね。


2002年のことなので、現在では少し状況が変わっています。マニアが整備したらしく、立派な湯船が作られた模様。

ですが、工作物を残すのはホントは犯罪なので、野湯を楽しんだら原状復帰してから帰りましょう。荒湯地獄での取り締まりも若干厳しくなっているようです。