安達太良山の懐深く、かつて数件の宿で成り立つ温泉があったそうです。大正9年頃、安達太良山の噴火により、数件の宿はそれぞれ麓に移転しました。
その移転先が、現在の沼尻温泉と中の沢温泉。
かつて山中にあった元湯には今もこんこんと湯が湧き出ており、ここから移転した旅館に湯を引いています。
沼尻スキー場の上部に、大きな駐車場があります。トイレが無いという重大な欠点はありますが、車中泊場所として使えないこともなさそう。この駐車場が、登山の起点となります。*写真(1)
駐車場奥の登山口から歩き出すと、数分で白糸の滝の観瀑台に行くことができます。名前の通り、白い川水が瀑布となって流れ落ちる壮大な姿を遠望できます。この川の色は、もちろん温泉ファンにはたまらない物質のせい。*写真(2)
30分ほど息を切らせて登ると、やがて分岐が現れます。*写真(3)
右が安達太良山への登山道、左が沼尻元湯へ続く道。左へ進むと、すぐに急な下りへと変わり、遥か下方に沼尻元湯の全景が見えています。帰りがきつそう。*写真(4)
下まで下りきると、白濁した湯川が迎えてくれます。向こう岸にはかつての旅館なのか、朽ちかけた古い建物が残っていて、湯治場として栄えていた頃が偲ばれます。この川は、またとんでもなくワクワクさせてくれる名前、硫黄川。*写真(5)
川に沿って硫黄採取施設である木の湯道が造られており、その景色がまたたまらない。ちなみにここで採取された湯の花は販売されており、ネットで手に入れることも可能です。*写真(6)
さて、この川で入浴できるのかというと、かなり厳しいかも。
湯の川はかなりぬるい。うまく探せば源泉の流れ込む所を見つけられるかもしれませんが、範囲が広くて大変。
さらに、どこもだいたい360度全方位丸見え。しかも結構、登山者が通って行きます。こんな所で入浴していたら、バカ丸出し。それでもまあ、うまく死角になる場所は…無いことはない…かな?下流の方ならなんとか…。*写真(7)