2万5千分の1地形図を見るのは楽しい。
特に野湯探しの場合には明確なルートを記された登山地図もなく、目標地点の場所さえはっきりしません。行った人のレポートと写真から特徴を抽出し、地形図と照合して場所を割り出します。行程についての記述は詳しくないのが殆どなので、乏しい情報から場所を推測するのですが、その作業は大変でもあり、でも一番楽しい時間かもしれません。
なんて書き出しで始めておきながら、広河原の湯の場合は地形図に湯沢噴泉塔までの道がしっかり点線で書かれていたし、その途中に広河原の湯と思われる温泉マークまで載っていたんですけどね。
だから今回は楽勝っすわ。ハッハッ!
舗装された山王林道の途中に車を停め、分岐している未舗装の林道へ足を踏み入れます。*写真(1)
未舗装の林道の入口には湯沢噴泉塔の看板が立っているので、迷うことはありませんでした。ゲートは下がっているものの鍵はかけられておらずこの先まで車で乗り入れることもできましたが、昔ゲートの上がっている林道で帰る頃にゲートが下りて鍵までかけられていたという経験がある自分は、そんな愚は犯しません。
緩やかに登る単調な林道を歩いて行くと、やがてガードレールの終わる所に湯沢噴泉塔への案内看板が立っていました。*写真(2)
案内看板によるとこのまま林道を真っ直ぐ行けばいいようです。なのでそのまま行ってみると林道は行き止まり。山の斜面をトラバースするような踏み跡がありましたが、強引に進んでみると滑落しそうで足がすくんだので、看板まで立てといてこの道はないなと引き返しました。
看板の周りをよく探してみると、ガードレールの終わりの所から林道を逸れて崖下へ下って行く道がありました。地形図と照合してみると、確かにここを下って行くと川へ出合うように実線が引かれています。しかし、噴泉塔へのルートは林道を真っ直ぐ行くように点線で書かれており、川へ向かうと実線はそこで終わって先がありません。
さてどうすんべえか、とほんの少しだけ悩んだ末、いつものへたれ根性で怖い方は嫌だから川へ下る道を選びました。ルートがなけりゃ川を遡行した方がまだ怖くなかろう。
傾斜のきつい崖をジグザグに刻んでいる道を辿り広い川原に出合うと、川には丸木橋が架けられていました。どうやらこの先にもルートがありそうです。*写真(3)
もう一度地図を取り出して確認して気づいたのですが、発行が平成3年8月、現地調査は平成2年9月となっていました。こないだ買ったばかりなのに10年も前じゃねーかよ。おい、西武デパート。それとも、更新頻度の少ない地域?
川を渡り、川と平行に刻まれた山側の道を進みます。*写真(4)
道は川沿いに進んで行きますが、右岸左岸を行ったり来たりするので何度か徒渉しなければなりません。写真の所では跨ぐには遠いので中央の石に飛びます。*写真(5)