登山&のら湯-山道のあっち側

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さあ登山を始めようと思ってまず物欲が湧くのが登山靴とバックパック(ザック)ですね。ただ、まず目指す所は日帰り往復2時間程度の本沢温泉あたりになるでしょうから、とりあえずデイパックを持っているならそれで用が足りてしまいます。一度で嫌になってしまう可能性も無くはないので、登山靴やバックパックの購入は後回しにしても大きな問題はありません。

もしデイパックも何も持ってないということであれば、30リットルあたりの容量を選ぶのが良いと思います。30Lは日帰りから小屋一泊くらいまで幅広く使える汎用性がありますし、ヒップベルトもそこそこしっかりしているので疲れ難いというメリットもあります。

バックパックは物欲をそそりまくるので、近い容量をいくつも買ってしまうという罠に陥りやすく、散財することになるので注意しましょう。自分は現在24L、36L、48L、70Lを使っています。これ以外にも三つ持ってますが、使ってません。罠にハマりまくってますね。とりあえず四種類のサイズをふたりで共有するような形で今は落ちつきました。夏の日帰りは24L、冬の日帰りは36L、小屋泊りは二人で24Lと36Lを分担して足ります。野湯探しでブルーシートを持つ場合は36L。48Lと70Lはテント泊の時に使います。

バックパックの選び方

バックパックにはフィッティングが必要ですから、必ず店に行って実際に背負ってみなければいけません。形が気に入ったからって背負ってみることもせず通販で買ってしまうと、身体に合わなくて泣きを見るハメになります。体形に合わないバックパックで登山すると、もう二度と行きたくなくなります。(←実体験)

まず注意しなければいけないのはバックレングス(背面長)です。バックレングスが短いと重量を全て肩で受け止めることになって、かちこちに肩が凝ります。特に30Lクラスのザックではバックレングスが短い物も多いため、しっかり見極める必要があります。その辺をよく考えているメーカーの製品だと、30Lでも複数のサイズをラインナップしていたりバックレングスの調整が可能になっていたりします。

背面のカーブも案外重要です。自分の腰のラインにカーブが合ってないと、腰で止まらずにずるずる下がったり、強く当たり過ぎたりする場合があります。

ヒップベルトのフィット感にも注意して下さい。ヒップベルトの角度が腰の形状に合わないと、長時間歩くうちに当たる部分の皮膚がずる剥けたりすることもあります。

ショルダーハーネスの形が身体に合わないこともあります。チェストストラップは殆どのバックパックで高さの調整が出来るようになっていますが、ショルダーハーネスのサイズが合わなかったり調整範囲が狭かったりすると胸の嫌な位置に干渉する場合があります。特にバストの大きい女性の場合だと干渉や不快感がないかショルダーハーネスの形状とチェストストラップの高さに注意する必要があります。

全てがうまく身体に合ったバックパックだと、腰と肩、背中全体にうまく重量が分散され、格段に荷物が軽く感じられます。バックパック次第で登山が楽しくもなり、苦行にもなり得るわけです。軽い登山なのにものすごくきつかったって経験のある方は、バックパックを疑ってみてはいかがでしょうか。

バックパックには多くの調整箇所がありますので、店員に調整してもらいながらフィッティングするのがいいと思います。必ず重りを入れてもらって下さい。軽いままと荷を詰めた状態とでは大きく感触が変わりますので、軽い状態では判断ができません。

バックパックの容量

デイパック

ハイキング向けですが、パッキングの達人であれば山小屋一泊くらいはこなせるかもしれません。容量は小さく、雨具と薄手のフリースだけで一杯になってしまいます。

25〜35L

日帰り〜山小屋一泊程度までこなせます。殆どのシーンはこの容量で足りてしまいます。写真をやる人には若干物足りないかも。冬季は防寒着が嵩張るため、ちょっときついです。

35〜50L

山小屋数泊できる容量があります。40リットル以上ならソロテント泊も可能です。

もし山小屋一泊程度でこのクラスの容量が必要になるなら、それはいらない荷物を持ち過ぎということです。無駄な重量を担いでいらない体力を消耗してしまいますので、装備の見直しを見当すべきです。

50〜70L

テント泊をやるか、中判カメラをやる人以外には必要ありません。山小屋利用なら数日の縦走も楽々可能な容量です。

70L超

長期縦走ができます。但し、荷物の重量も相当なものになるので、体力も必要となります。三浦翁を気取ってこの容量に荷物を一杯に詰めて原宿を歩くのも一興です。