登山&のら湯-山道のあっち側

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まず言っておきたいのは、国立公園内では指定地以外キャンプ禁止ということです。勝手にどこでもテントを張って良いのではありません。但し、緊急避難であれば人命がかかっていることですから、それは罰せられることはありませんが。

指定地は国が指定して近くの営業小屋に管理を委託しています。

テント場

幕場、天場とも言います。殆どは小屋のすぐ近くにあります。

オートキャンプ場みたいな観光キャンプ場と違って、ひとつひとつ区画が区切られているわけではありません。単なる平地で、張数の目安はありますが定員はありません。いい場所は早い者勝ちとなります。

小屋と同じで来る者拒まずですから、足の踏み場もないほどみっちり張らなければならない時もあります。そんな時はペグも打てません。遅れて到着すると張り場所がなく、斜面に張らなければならないなんてことも。早くから場所を確保しても、後から後からやって来る度に「すいませ〜ん、詰めてもらえますか〜」と何度も何度もテントを移動するハメになって一向に落ち着けないこともあります。逆に遅れて到着した側だとどれだけ顰蹙を買うか…。

料金

張数ではなく、ひとり頭500円前後であることが多いです。温泉は立ち寄り入浴と同じ扱いで入浴料が別に必要です。

料金は管理している営業小屋に支払います。営業小屋が近くにない単なるキャンプ指定地では料金は発生しません。但し、そういう所にはトイレもありません。

テント場が小屋から離れている場合には、早朝などに小屋番が見回りに来て料金を徴収します。遅めに到着して早立ちすればごまかせますが、貧乏学生でもなければケチくさいことせずに払って下さい。もちろんテント場より前に小屋を通るなら先に支払っておきます。

食糧計画

ファミリーキャンプ場と違って、その場で欲しい物が自由に手に入るわけではありません。予備日も含めた行動日数に合わせてきっちり食糧計画を立てる必要があります。多く持ち過ぎれば重量が嵩んで辛い思いをするし、少な過ぎればひもじい思いをします。

特に重要なのが水です。必要量を全部持って行けばいいのですが、水が一番の重量物ですから体力との相談になります。テント場に水があるとは限りません。小屋の水は有料で、割当が制限されることもあります。水場がテント場からかなり離れている場合もあり、水の補給計画はきっちり立てておかなければなりません。季節によって水場が涸れていることもあります。沢の水は飲用に適さない場合もありますので、水の補給できる場所を事前に問い合わせておくことが必要です。

食事は大抵自分で作るでしょうが、小屋に食事を頼むことも出来ます。荷物を少しでも軽くしたい時には便利です。但し、到着が遅かったり混雑している日には断られることもあります。計画的に小屋食を利用する予定なら予約しておくのが確実です。

就寝時間

テント泊に就寝時間が決められているわけではありませんが、遅くまで酒盛りで騒ぐのは大変な迷惑となります。ものすごく早立ちの人は寝るのもものすごく早いです。かなり遅くてもせいぜい午後8時まで、常識的な線では完全に日が暮れてからほんの少し程度まででしょう。

ただ、学生の団体がいる時は、まあ彼らは若くてエネルギーが有り余ってますからハメを外していることもあります。彼らがいるのは夏休み期間に限りますけど。まあそんな時は一緒に混ぜてもらって騒ぐのもいいでしょう。どうせ寝れたもんじゃないでしょうから。

立つ鳥跡を濁さず

ファミリーキャンプ場と違ってごみ箱はありません。全ての物を持ち帰って下さい。残飯を埋めたりすると、野生動物が集まってきます。そうなると人間と衝突を起こすのは時間の問題です。

テントで寝る時も食料をテントの外に出したりするべきではありません。匂いの漏れない密閉容器に入れてテントの中に置きます。

シーズンオフ

小屋が営業していない期間でもテント場の利用はできます。料金もかかりません。但し、汚物の処理を済ませてしまっているのでトイレが使えません。白馬鑓温泉ではトイレは完全に解体されています。

小屋の休業期間は春や秋でもいつ雪が降ってもおかしくない時季ですし、入山する登山者も極端に少なくなります。登山道の整備も休止してますから、リスクもそれだけ高くなります。冬季登山に必要な装備と入念な計画が必要です。