身体を動かす、つまり燃料を燃焼してエネルギーを取り出すには酸素が必要です。なので運動すると呼吸が荒くなります。ちなみに無酸素運動では酸素を使わないと言いましたが、エネルギーを取り出す段階で酸素を使わなくても、それを回復するために酸素が必要となりますので、やはり呼吸は荒くなります。
息を吐くことに注力
肺の空気入れ替え
普通に呼吸している時、肺の中で入れ替わる空気は全体容量のほんの一部だけです。平静時はそれでも充分酸素は足りていますが、運動すると途端に不足してしまいます。そこで呼吸が速くなるのですが、呼吸を速くしただけでは入れ替わる空気の容量は変わらず、肺が酸素を充分吸収しないうちに吐き出してしまいます。まったく効率の悪い呼吸法です。
一回の呼吸で多くの空気を入れ替えるには、腹式呼吸が有効です。
過換気症候群
運動により息苦しくなると一生懸命に呼吸しようとしてしまいますが、過呼吸は身体にダメージを与えます。
呼吸が速くなると二酸化炭素を必要以上に排出してしまいます。二酸化炭素不足になると血液がアルカリ性に傾き、眩暈、動機、息切れ、痙攣、酷い時には意識を失います。これが過換気症候群です。過換気症候群は精神的な原因ばかりでなく、スポーツ時にも起こることのある症状です。
呼吸の仕方
多くの酸素を有効に吸収するためには、肺の中に空気をある程度の時間留めておく必要があります。また、二酸化炭素を排出し過ぎないためにも、ゆっくり長く息を吐きます。
口笛を吹くようにフ〜〜〜〜と細く吐くと時間をかけて吐き出せます。マラソンで習う呼吸法、ふっふっふ〜〜〜、というのでもいいと思います。あれも息を時間をかけて深く吐きだす方法です。ただ、登山のようなゆっくりした歩きではリズムをとり難いとは思いますが。
息を吐くと、吐いた分の空気は特に意識しなくても勝手に入ってきます。ですからできるだけたくさんの息を吐くことだけに集中するのが効果的です。