登山&のら湯-山道のあっち側

怠け者の登山術 » バテない技術 » 歩き方 » 秘技!ちんたら歩き

まあ秘技でもなんでもないんですが、登山で楽に歩くということは、どれだけ余計な体力を消耗しないかということに尽きます。平地の歩き方そのままで山に登って必要のない体力まで消費しまくり、結果消耗しきって「ああ疲れた、もう二度と登山なんてしたくない」となってしまうのはいかにももったいないと思います。

ノーガードウォーク

ほら、あれです。明日のジョーでしたっけ、手をだら〜んと下げたあのスタイルです。

腕を大きく振って歩くのは快活で元気に見えますが、いらんエネルギーをかなり消費しています。その癖バランスを保つとかってことには露ほども役に立っていません。

すげ〜疲れたな〜って時には、手をズボンのポッケに突っ込んだりベルトを掴んだりしていませんか?

意外に腕ってのは何もしていないようで疲れが溜まる部位でもあります。それだけ腕ってのは重量があるのですね。その重量を振り回せば当然のことその分は体力を消耗します。

力を抜いて腕をだら〜んと下げた状態のまま腕を振らずに歩けば余計なエネルギーを消費しないで済みます。もし癖でどうしても腕を振ってしまうなら、ザックのショルダーベルトを掴んで歩いてみて下さい。随分楽に感じる筈です。但し、ポケットに手を突っ込むのはいけません。バランスを崩した時など肝心な時に腕が使えなくて危険です。

全身脱力

実際に登山をしてみると、酷使する脚が疲れるのはもちろんのこと、上半身も意外に疲労することに驚きます。それはそうですね、少なくとも数キロの重りを背負って重心が高いうえに、不安定で傾斜のある路面を歩くのですから、バランスを保つために全身の筋肉が総動員されているわけです。

5時間、10時間という長い時間に渡って運動を続けなければいけないのですから、ひとつひとつの無駄な労力はじわじわと着実に体力を消耗させて行きます。疲労を最小限に抑えるには、歩くこと以外の余計な動きは極力抑えるべきです。大きなアクションは一切しません。全身の力を抜いて、なおかつ柔軟に身体の状態を保って下さい。急激な動きも控えます。ゆっくり確実に無駄なくひとつひとつの動作を積み重ねて行きます。

そういう歩き方をすると、かったるそうにちんたら歩いているように見えます。体育会系の教師に「しゃきっとしろっ!!」と怒鳴られそうです。でもね、これが疲れ難いのですよ。ザックの大きな登山者を良く観察してみると、余計な上下動や前後のぶれは少なく、上半身はする〜と動いています。まあ荷物が重いために緩慢になっているということも言えるのですけどね。山で元気ハツラツ腕を大きく振って歩いている人を見かけたら、それは長距離を歩く予定のないハイキング客でまず間違いありません。

ダブルストックを使ったら?

実を言いますと、ダブルストックを導入したのはついこないだのこと、2008年の横岳からです。

確かにダブルストックは楽です。今まで脚だけで歩いていたのが上半身にも負担を分担するのですから、そりゃ楽になる筈です。

ところが、ダブルストックを導入した最初の山で、膝を痛めてしまいました。膝痛対策で膝の負担を軽くするため導入したダブルストックなのに、使い始めたその日から今までより酷い結果になってしまったってのは予想外です。おそらく、ダブルストックを使ったことによって歩き方が崩れてしまったのだと考えています。

ダブルストックが楽なのは実感したので今後も使い続けると思いますが、ダブルストックでの歩き方はこれからの研究課題です。