登山&のら湯-山道のあっち側

高天原温泉(雲ノ平〜高天原峠)|中部山岳国立公園

登山データ

【登山行程】

雲ノ平山荘〜高天原峠〜高天原山荘(泊)〜高天原峠〜大東新道〜薬師峠(天泊)〜折立

【訪問日・天候】

2012年9月中旬 平日 雨-晴

【GPSトラックログ】

往路復路

【登山口駐車場】

折立登山口駐車場 [トイレ有] 地図

WGS84 N36'28'57.955 E137'28'29.596 A1357m
678 537 490*37
【仮眠・車中泊】

道の駅「奥飛騨温泉郷上宝

【参考サイト】

太郎グループ 雲ノ平山荘

【関連レポート】

高天原温泉|快楽秘湯表編

【計画】

「雲ノ平」から続く→

山荘に泊まってしまったが、予定に沿うよう軌道修正するならキャンプ場にテントを張って荷物を軽くしてから高天原に向かい、そして当日中に戻って天泊するのが妥当だろう。そうすると帰りはあの直登ルートを下ることになるが、しかしツレからあの直登ルートを下りるのは嫌だ、とクレームが入った。

大東新道を避ける計画にしたのには訳がある。大東新道はハシゴと鎖の連続で、どちらかといえば雲ノ平直登コースの方が一般的ルートに見られているようだったから、大東新道の方がツレには厳しいルートだと思えた為。もうひとつ、雨により薬師沢が増水すれば大東新道は通れなくなるため、どうせ大東新道以外も考慮に入れておかなければいけないので、だったら最初から除外しておこうという考え。しかしツレの下りベタが発覚した今、あの滑りやすい岩を下るのもどうかという気もしている。

朝起きたらしとしと降る雨。出発ぎりぎりまで迷ったが、テントを置いて行くと必ず戻らなきゃいけないというのもそれもまたリスクだなと思い、とりあえず荷物を全て持って行くことに決めた。高天原に泊まって大東新道を帰るということにほぼ心は決まっていたが、また雲ノ平に戻ってくることだって可能。雨による増水で結局戻るハメになった場合は無駄に重い荷物を運ぶことになるが、選択の幅が広がる方を取った。

写真(1):雲ノ平山荘を出発】

霧雨程度だったのが、山荘を出てすぐにぼたぼたと降り始めた。暑いのが嫌いなので少々の雨では濡れるに任せる主義だが、さすがに雨具が必要な降り方だったのでザックを下ろして着る。

写真(2):真っ直ぐが祖父岳、左が高天原方面】

真っ直ぐ行くと祖父岳、キャンプ場のある方向で、少しだけ未練を感じたけど、左の高天原方面へと進路をとる。

写真(3):無名ピークに向けて登る】

まずは登り。薬師岳の肩から見た雲ノ平は台地で平坦に見えたけど、実際に来てみれば結構な起伏がある。まず標高差60mほどを登らねばならないのだが、登山としては大した事ない数字なんだけど、目的がもっと低い場所なので下らねばならないその前に上がる登りはとてもきつく感じる。

7時を過ぎていたけど、ひとりの女性が前方から下りてくる。聞かなかったが、高天原から来たのならどんだけ足が早いんだ、と。こっち方面で一番近いのは高天原山荘だけで、テン場もないし。

雨はまた小降りになり、雨具に熱気がこもって糞暑いので面倒くさい思いをしながら雨具を脱ぐ。

写真(4):2576m無名ピーク】

2576mに到達。雨量計の設備が設置してあり、なるほど、この為にわざわざピークを踏むルートになっているのだな、と思った。雨量計とは別にもうひとつ別のルートを切り拓くのも面倒くさいだろうし。

また雨足が強くなる。一時的っぽかったので、雨量計のそばの岩陰でやり過ごす。

写真(5):ごろごろの岩絨毯を下る】

とにかくごろごろの岩ばかり。雲ノ平ってのは全てこういった岩石が積み重なってできているんじゃないかと思わせる。考えてみれば周りは峻険な山々なのに、それに囲まれたここだけ台地になっているというのも不思議な地形だ。薬師沢が削るだけでこんな地形になるもんなのかな?

写真(6):岩と同化してるが道標の下に雷鳥様が二羽】

先に御花畑を横断する木道が見えてきたところ、白い道標の下で二羽の雷鳥が遊んでいた。一羽が岩の下の這松をうろうろし、一羽が岩の上で見張りをしている感じ。羽毛の色は同じに見えるけど、岩の上で見張りをしている方の目の上には赤い肉冠が見えるので、上がオス下がメスのつがいだろうか。肉冠は小さめだが、羽毛の色にしてももう抱卵期も終わってる時季だからこんなもんなのかもしれない。雷鳥の夫婦はどちらかが死ぬまで添い遂げるそうだが、子育て期の今の時季はオスは家族から離れ、5月上旬頃の交尾期まで別居なんだとか。もしこの二羽がつがいだったとしたら、卵を食われたか孵化に失敗したかなんかなのかもしれない。ちなみに雷鳥の巣を覗いたりして抱卵期のメスにストレスをかけると抱卵を放棄してしまうこともあるそうだから、春から夏にかけてはできるだけそっとしておいてあげるべき。

死ぬまで添い遂げるなんて美化してしまいそうだが、愛人を持つ一夫二妻もいるし、テレビでみたけど、メスを奪いに来る他のオスとの戦いや、オスにモーションかける若いメスとかもいて、雷鳥様の世界もあれでなかなか楽なもんではないのだ。

写真(7):2439mの肩に広がる這松の森】

這松に隠れているけど、結局足下は岩が折り重なって歩き辛い道。

写真(8):鬱蒼と草木茂る森を貫く木道】

所々木道が現れる。標高が下がるにつれ、草木の背も高くなってきた。

またもや雨が強くなる。木に隠れて雨を凌ぎながら進んできたが、さすがにまた雨具を着ることになった。

写真(9):2439を過ぎると急坂を下る】

台地の端まで来ると、急坂に変わる。だけど普通の土の道だ。すんげえ歩きやすい。

所々ハシゴがあり、下りが苦手なツレは相変わらずペースが遅い。でも前日よりちょっとマシになったような。