【計画】
昨年のリベンジ。目的はふたつ。ひとつは高天原温泉、そしてもうひとつは雲ノ平で天泊したい、ということ。最初に考えていた予定は、太郎から黒部五郎岳を経由して雲ノ平に入るという、二日かかってしまうがキツイ箇所を回避する計画。高天原でも二泊するとしたら八日間の日程、とすると予備日二日としてさらに自宅までの往復を入れて12日間の休暇が必要ということ。ひとりならそれでも都合付ける事は可能だったけど、今回はふたりなのでさすがにそれだけの日数を合わせることは不可能、ということで、気は進まないが薬師沢出合から雲ノ平への直登コースに変更、雲ノ平に二泊して高天原へは雲ノ平から日帰り往復しようという計画に。
昨年の首が回らないほどの肩凝り対策には、これでダメならもう他にないという気持ちでグレゴリーのザックに買い替え。日焼け対策には、日焼け止めをマメに塗ることはもちろんだが、手にまで日焼け止めを塗りたくなかったので装備にUVグローブを追加。これで昨年起きた不具合は解消された筈…。
【折立〜薬師峠キャンプ場】
初日の折立から薬師峠までは天候もコース状況もほぼ前年と変わりなし。→前年の薬師岳登山
しかし昨年より二週間ほど早い時期だったので、季節はひとつ違って夏真っ盛り。去年は水500mlも余るほどだったので、重くなるのを嫌って700mlしか用意しなかったら途中で脱水気味になってしまいバテバテ。
ツレは数年のブランクがあるところにいきなり13kgの荷物を背負わせたから心配したが、こっちが先にバテたため逆にぶっちぎられてしまった。何故かツレと山に登ると必ずこちらは不調になる。そして誰かがバテると他の人はバテないというのも真実。
どうにかこうにか太郎平小屋に到着して小屋で買ったジュースを2本イッキに飲んだ。そこから薬師峠に移動して天泊。
【写真(1):太郎平小屋から薬師沢方面へ】
翌日は全体に雲が覆う空模様だったが、雨の心配より直射日光がないことの方が嬉しい。
テントを畳んで太郎平小屋に戻り、雲ノ平への登りを遠望してきつそうだなと登る前からちょっとうんざり。太郎小屋の先から分かれる太郎山との分岐を薬師沢方面へ。
【写真(2):途中崩れた箇所を跨いで木道は続く】
ずっと木道が続くかと思ったらすぐに終わり、崩れて抉れた箇所を下りてまた登る。しかしそこを越えたらまた木道が始まった。
【写真(3):木道先端に向けて】
このまま薬師沢まで木道のまま緩やかに下って行ってくれればいいのだけど、銀河鉄道のレールのように天空に向かって途切れた感じが、それを許さないことを予感させる。
【写真(4):木道先端を過ぎると急激な下りに】
木道が終わり、急な下りが始まる。
【写真(5):急角度の下りが続く】
かなり急角度で薬師沢に向けて下って行く。帰りはここを登るのかと思うとうんざりするが、この時はまだまさかここが楽な方だったとは少しも思わなかった。
ここでツレの下り下手が発覚。とにかく遅い。荷物の重さに慣れていないということもあるだろうし、なにせ数年ぶりの登山だから急かさず見守るしかないが、とにかく信じられないほど遅い。思わず「婆さんかっ」とツッコミを入れたくなる。
【写真(6):下り終わってすぐ中俣の橋】
ペースが速すぎるとバテるが、遅すぎても疲れるもんだ。薬師沢中俣の橋を渡ると薬師沢小屋まで川沿いの道となり、登り下りは殆どなくなる。しかし薬師沢小屋までのまだ1/3程度。薬師沢小屋まで行っても今日の行程の半分も終わらない。長い一日になりそうな予感。
【写真(7):木道が続く】
薬師沢小屋までの多くは木道となる。肉体的には楽な行程だが、先ほどの下りで疲れがきたことと、まだまだの行程に足取りが重い。
【写真(8):木道は途切れたり現れたり】
たまに木道が切れて小さなアップダウンがあったりするが、行けども行けども代わり映えの無い景色のせいか、えらく長い道程に感じた。
【写真(9):薬師沢小屋】
やっと薬師沢小屋に到着。3時間もかかってしまった。時間はすでに昼近い。急いだ方がいいには違いないが、このまま先へ進んだら途中でへばるのは目に見えていたから、小屋でラーメンを頼んで大休止とする。