【写真(1):高天原峠】
三大急登というのがあるけど、あれは標高差も含めて三大に選ばれているのであって、角度だけ見れば雲ノ平の方がもっと全然きつい気がするんだが。標高差も急傾斜のまま300m〜400mもあるんだから、正直なところ三大急登のひとつに数えられる谷川岳の西黒尾根でも鼻歌交じりの散歩道にしか思えない。そんな急角度が高天原峠まで続く。
ただ、薬師沢出合からの直登コース急登岩地獄に比べれば、傾斜は同じようなもんでもこちらの方がまだ天国。とはいえ、この急坂をまた登り返す気は完全に消え去っていた。明日、薬師沢が雨で増水してないことを祈る。
【写真(2):鬱蒼とした森の中を行く】
高天原峠からもまだ下りは続く。岩苔小谷まで200m近くの標高差を下りることになる。
道はこれでここは2,000mを超える標高だということを、つい忘れさせるほどの深い緑に覆われている。
【写真(3):岩苔小谷】
岩苔小谷に架かる橋。もう道はほぼ平坦。
【写真(4):岩苔乗越方面との分岐】
直進で高天原山荘。右の岩苔乗越方面へ行くと1時間ほどで水晶池。
【写真(5):高天原山荘手前の湿原】
視界が開けるとそこは高天原湿原。高天原山荘まではあと僅か。
【写真(6):高天原山荘到着】
12:00、高天原山荘に到着。雨ということも少しは影響したかもしれないが、なんと雲ノ平山荘から5時間近くかかってしまった。下りメインの道程で標準の倍もかかったということで、どれほどペースが遅かったかわかろうというもの。
山荘では既に到着し寛いでいる登山者たち。平日で、しかもこんな奥地にこれほど人がいるとは思ってなかったから、賑やかさに少々驚く。この週末から三連休に突入するため、そこに絡めて10日間に及ぶ縦走途中の人もいた。
【写真(7):山荘から30分の高天原温泉】
山荘から温泉のある場所までは30分近くかかる。温泉に浸かる至福の時と言いたいところだが、雨がぱらぱら降ったりやんだり。一番メインの目的の日にこの天候かよ、と若干とほほな感じである。でもここまで来ておきながら雨だからといって諦める人もおらず、こんな天気でも露天風呂は賑やかだった。
その後に到着した人もいたので、この日の宿泊者は自分らも含めて10名前後。さすがに雲ノ平山荘の方が多かったとはいえ、それでも倍も違いはない。シーズン真っ盛りでもないのによくこれだけの人がこれほどの辺境に集まったものだと感心する。